9月のニュースレター

大阪の街角に・・・

大阪市浪速区湊町にある仮オフィスをクローズすることになりました。大相撲大阪場所で2年ほどお世話になった場所でした。

いつもは大相撲会場のエディオンアリーナや道頓堀などの観光地ばかりを歩いていたのですが、その日は最後なのでオフィス周辺をぶらりと歩いてみることにしました。難波サンケイビル前のマロニエの並木道を抜けたあたりで、一旦は何気なく通り過ぎたのですが、ふと、何かが気になって立ち止まり振り返ってしまいました。皆さんもそんな感覚に陥ったことってありませんか。無意識に切り取った一瞬の記憶の残像・・・ 振り返ると特におかしいものはなく、夕暮れ時の静かな並木道が見えるだけでした。私はまた前を向き歩きはじめました。交差点を横切ってしばらく行ってから引き返して来ました。交差点の横断歩道を渡ると前方はマロニエの並木道。その右側には木の生い茂った場所があり、その中央の少し窪んだあたりにベンチがあって人が座っていました。街灯がオレンジ色の淡い明かりを灯したころでした。私はそのベンチの前を通り過ぎました。すると、さっきの変な感覚が蘇ったのです。はっと振り返りました。少し薄暗いベンチに人が座っています。老人のようです。じっとうつむいて動きません。私はあまりじろじろ見たら失礼だと思い知らん顔をして少し遠ざかりました。でもやはり気になりまた振り返りました。その男性はじっとうつむいたまま動きません。初めに通り過ぎた時も彼は同じように座っていたのでしょう。そして今も。遠目に観察するとどうも外国人のようです。ハンチング帽を被ったおしゃれな老紳士という感じです。『もしかしたら何か困っているのかもしれない。日本語が分からず、道に迷っているのかも・・・』私のおせっかい魂が頭をもたげ、私はもう迷わずに彼に近づきました・・・ 

な、なんと、彼は本当にリアルなストリートアートだったのです!! 

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草間弥生の水玉

前衛芸術家の草間彌生氏が97歳で宇宙(天国)に旅立たれました。ご冥福をお祈りいたします。

数年前、ずっと訪れてみたかった瀬戸内海に浮かぶアートの聖地「直島」に行ってきました。
その日はあいにくのお天気でしたが、空と海と桟橋が織りなす灰色のグラデーションの真ん中にどっしりと鎮座する巨大な黄色い南京。その存在感は半端ないものでした。なぜそこに存在しているのだろうかと首をかしげて見ているうちに、ふと海から出てきた無数の吸盤を持つ軟体怪物に見えてきたりして・・・ 

彼女のあの無数の水玉は星に埋め尽くされた無限に広がる宇宙のこと・・・らしいです。統合失調症の彼女は子供の頃から無数の水玉に囲まれ(襲われ)る幻覚や幻聴に悩まされ、その恐ろしさから逃れるために自分が見える世界を絵に表していたそうです。
彼女の展覧会に出かけた時、大きな会場が床から天井まで彼女の作品で埋め尽くされていました。無数のドットや網目に囲まれ自分がそれらの作品と一体になって作品の中に吸い込まれて消えてしまうような感覚を覚えましたっけ。

きっと皆さんも、夜、空気の澄んだ山頂で満天の星を見つめていたら、いつの間にか自分が宇宙に吸い込まれて宇宙の中に消えてしまうような不思議な感覚に包まれるのではないでしょうか。

宇宙は無数のドットの世界です。

もうすぐ芸術の秋ですねぇ。

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